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2019.05.21 佐藤 彩香

本当にその食事で大丈夫?〇〇制限の怖いリスク ~脂質編~

女性にとっては嫌なイメージが強い脂質ですが、すごく大切な栄養素の1つです。脂質を制限しすぎてしまうと、エネルギー不足やホルモンバランスの乱れを招いてしまいます。それでは、どのように脂質を摂っていけばいいのか。管理栄養士の佐藤彩香さんにお伺いしました。

こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。アスリートを中心に栄養サポートをさせていただいております。

今回は、前回の記事の続編。脂質の制限のリスクについてお伝えします。

 

(前編)本当にその食事で大丈夫?女子がやりがちな「〇〇制限」の怖いリスク
https://liawomen.com/post/748/

 

そもそも嫌なイメージが強い脂質。ただ、脂質はアスリートにとってすごく大切な栄養素なのです。あまり制限しすぎてしまうと、様々なリスクが出てきます。まずは脂質についてしっかり理解していきましょう。

 

脂質をうまく活かせるアスリートは強い

脂質はアスリートにとって、とても大切な働きをします。脂質の働きとしては、下記のような様々な役割が挙げられます。

・身体のエネルギー源となる(持久力系のスポーツの方はとくに)

・免疫機能にも働きかける

・ホルモンの材料になる

・脂溶性ビタミンの吸収を促す

・細胞膜を生成

 

身体のエネルギー源は、アスリートにとってすごく大切なものです。また、免疫力を上げていかないと、感染症などにもかかりやすくなり、練習ができなくなってしまいます。

ホルモンをしっかり機能させていくことは、身体機能の安定に必要です。そして、女性にとってのホルモンバランスは、競技をする以前に女性として生きていくために大切なものになります。

身体にとって大切な脂質。これをうまく活かせるようになっていきたいですね。

 

脂質の種類、質を理解すること

ここまで読むと「脂質が大切であれば、いくら食べても良いか」と思われるかもしれませんが、そういうわけではないです。まずやってほしいことは、脂質の種類を理解して「質」を上げていくことが大切になります。

脂肪酸は分類方法によって「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の大きく2つに分けられます。

 

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、一般的に肉や乳製品に多く含まれる酸化しにくい脂で、身体にとって重要なエネルギー源です。結合する炭素の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸と分類されます。

これが不足すると血管がもろくなるリスクなどがあるので、制限しすぎはよくありません。逆に摂りすぎすると、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を増やし、心筋梗塞、肥満、糖尿病を招く危険性があります。

最近では、ココナッツオイルやMTCオイルなどに多く含まれている、中鎖脂肪酸に注目が集まっています。長鎖脂肪酸に比べて消化吸収が早く、すぐにエネルギーとして使われて身体に蓄積されにくいと言われています。

 

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、エネルギー源でもあり、身体の各種細胞膜を構成する重要な成分です。一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)と分類されます。一般的に飽和脂肪酸に比べて酸化しやすく、特に多価不飽和脂肪酸は加熱調理には向いていません。

オメガ9系・・・オリーブオイル、アルガンオイルなど

オメガ6系・・・コーン油、ごま油など

オメガ3系・・・亜麻仁油、えごま油、魚油など

 

この中で、シンプルに身体で合成しにくい油を摂ることが重要なので、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)を意識しましょう。

ただ、オメガ6系のコーン油、ごま油などは結構手軽に摂れてしまう油なので、オメガ3系の亜麻仁油、えごま油、魚油をより意識してほしいです。

 

オメガ3系には、アスリートにとって嬉しい役割がたくさんあるので、積極的に摂っていきましょう。

・最大酸素摂取量の増加

・運動時の心拍数抑制

・炎症抑制 (筋肉の炎症やアレルギーなどの炎症を抑制)

 

ただ、熱に弱いので、加熱調理はお勧めしません。熱を通さないようにして摂取しましょう。

 

女性が落ち入りやすい脂質制限

油っぽいものが嫌だからといって、野菜中心の食事。あるいは、油の少ないささみや胸肉、大豆製品のみ。そんな女性は結構多いです。

脂質を制限しすぎることは、女性にとって大きなリスクがあります。わかりやすい例では、必要なエネルギーが足りていないと、月経が止まります。ホルモンバランスが崩れると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が低下します。

エストロゲンには、骨の形成を促し、骨の吸収(古い骨を壊す)を抑える働きがあります。それがうまく働かないと、疲労骨折の原因になります。

 

それだけでなく、妊娠や出産にも大きく関わってきます。ダイエットや運動の過度な継続、リカバリー不足はホルモンバランスの乱れに繋がり、不妊を招いてしまいます。このことを理解して、脂質の摂り方を見直してもらいたいと思っています。

 

みなさんいかがでしたでしょうか?

〇〇制限という言葉が絶えない中で、本当にそのやり方が正しいのか、振り返る良い機会になれば嬉しいです。女性が笑顔で大好きなスポーツを長く続けられますように。

 

プロフィール

佐藤 彩香(さとう あやか)

管理栄養士、スポーツ専門栄養士、予防医学士

企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行ない、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5000人を超える人々と関わる。

現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行ないながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。

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