2019.07.26 佐藤 彩香

夏を元気に乗り切るために!管理栄養士が伝える“夏バテ対策”

夏は高温多湿による自立神経の乱れや、紫外線によるからだの酸化など、様々な原因から“夏バテ”になってしまいがち。栄養補給が必要なのに、食欲がないからと簡単な食事で済ませてしまう人も多いのではないでしょうか。適切な水分補給や食事を心かげて、疲れたからだをリカバリーしていきましょう。

こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。

暑い夏がやってきました。日々活発に運動されている方はもちろん、すべての女性に夏バテをせずにこの夏を乗り切ってもらいたいです。今回は夏バテ対策についてのポイントをお伝えします。

 

そもそも夏バテとは?

これが原因というふうには絞れませんが、日本の夏は高温多湿。その環境の中で体温を一定に保とうと、自律神経がフル稼働。それによって、自律神経の乱れを引き起こすことが原因と考えられています。また、空調による冷えや、暑い屋外との温度差も自律神経を乱れやすくしています。その結果、胃腸の働きが弱くなるなどの不快感へとつながります。

夏の疲れの原因として「紫外線」も影響してきます。紫外線を浴びると、体内の活性酸素が増加し、からだを酸化させてしまいます。さらに、皮膚だけでなく眼から受ける影響も。紫外線が眼を通じて身体に入ってくると、その刺激がホルモン分泌の要因となって、疲労へとつながるという考えがあります。

様々な理由から、夏は疲れを感じてしまう方が多くいます。その中で食事で疲れたからだをうまくリカバリーしていきたいですね。

「夏バテ」の原因は一つではなく、いくつもの要因が合わさって引き起こされています。そのため、夏バテ対策も一つではありません。水分、栄養素、自律神経、抗酸化の4つのポイントをご紹介します。

 

まずはしっかり水分をとること

これは鉄則ですね。発汗量が増えるので、失った水分を補う必要があります。まずは運動時の水分補給以外で1日2リットルを目標にすると良いと思います。

体格や発汗量などで前後しますが、からだは平均2.5リットルの水の出入りがあると言われています。食品からも水分はとれますが、飲料からもしっかりとっていきましょう。

 

夏場になると、炭酸飲料やスポーツドリンク、アイスコーヒーなどを飲む方も増えます。炭酸飲料やスポーツドリンクは砂糖が多く入っていますので、日常的な水分補給には向いていません。また、コーヒーも飲みすぎてしまうと、カフェインの利尿作用の影響で、水分が外に出てしまう可能性もあります。

甘いカフェオレやミルクティーも、砂糖が多いので飲みすぎには注意です。水分補給は、基本的に水をベースにしましょう

 

失われるビタミン、ミネラルを理解しておく

発汗が増えると失われる、ビタミンやミネラルもしっかり理解しておくことが望ましいです。まずは水溶性ビタミンのB群とC。水溶性ビタミンは、身体にストックしにくく、発汗が増えると失われやすい栄養素となります。

 

ビタミンB群

代謝に欠かせない栄養素になります。糖質や脂質やたんぱく質などをエネルギーにするためには、ビタミンBがないと代謝回路が回りません。夏バテ知らずのからだになるためには、ビタミンB群をしっかりとっていくことが大事です。肉・魚・卵・大豆製品に多く入っています。

 

ビタミンC

抗酸化作用はもちろん、「抗ストレスホルモン」に働きかけたり、自律神経を整えたりする大切な栄養素です。からだにはストレスがかかりやすく、自律神経が乱れやすい時期になりますので、積極的にいきましょう。野菜・果物・芋類に多く入っています。

 

鉄分

汗と一緒に失われるミネラル成分には、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄分・亜鉛などがあります。この中でも、からだを動かす方に最低限知っておいてほしいのは鉄分です。

鉄分は、赤血球をつくるために欠かせない栄養素。赤血球には、酸素を臓器や筋肉などの全身へ運ぶ働きがあります。鉄分が不足すると赤血球の機能が低下するので、酸素が足りなくなります。その結果、からだがだるくなったり、ぼんやりしたりと疲労感を感じやすくなるのです。

また、免疫力も低下しやすくなります。食品は、赤身が強い魚(鰹・鮪など)や肉(レバー、砂肝など)、貝類、ひじき、小松菜などに多く入っています。意識してみてください。

 

自律神経へのアプローチ

上記の栄養素や水分の摂取はとても大きなポイントです。それにプラスして、腸内環境を整えておくことと、血糖スパイクを起こさないことも意識しましょう。

 

腸内環境を整える

自律神経を整える上で大切なホルモンが、“幸せホルモン”と言われている「セロトニン」です。セロトニンは、そのほとんどが腸で生産されます。正常な腸の働きには、バランスの保たれた腸内環境が大切です。まずは発酵食品と食物繊維を意識していきましょう。

納豆やヨーグルトなどの発酵食品には、良い菌がたくさん入っています。その菌の餌となり、菌を増やしてくれるのが食物繊維を豊富に含んだ野菜や海藻、キノコ類です。

 

血糖スパイクを起こさない

血糖スパイクがあると、自律神経のバランスが崩れるのか。急激な血糖値の上昇があると、大量のインスリンが分泌されます。インスリンの大量分泌で急激に血糖値が下がると、今度は血糖値を上げようとコルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンが分泌されます。これが自律神経を乱す原因にも繋がるのです。

水分のところで触れた炭酸飲料や甘い飲み物も、急激に血糖値を上げる原因になります。また、3食の食事もサラダや汁物から先にとり、いきなり糖質が入ったものから食べないようにしましょう。お米に雑穀米をプラスしたり、全粒粉のパンなどを取り入れるみるだけでも、血糖値の上昇がゆるやかになります。

 

抗酸化栄養素を意識してとっていく

皮膚や眼から入ってきた紫外線のケアには、抗酸化栄養素が大切です。「紫外線をカットする」のではなく、あくまで「紫外線によって受けたダメージを回復させる」という目的になります。外でスポーツをする選手は、ここをより徹底していきましょう。

特に意識すべき栄養素は、ビタミンA、C、E。これらの栄養素は、緑黄色野菜や野菜はもちろんですが、ナッツ類やゴマなどにも入っています。積極的にとっていきましょう。

 

以上、4つのポイントをお伝えしました。

夏場は食欲がなくなり、そうめんやうどんなどでさらっと済ませてしまいがちになります。また、運動習慣がある人ほど、たんぱく質をとる意識はあっても、意外とこれらのポイントは見過ごしがちではないでしょうか。

ぜひ参考にしていただき、夏バテをせずに夏を乗り切ってもらえたらと思います。

 

プロフィール

佐藤 彩香(さとう あやか)

管理栄養士、スポーツ専門栄養士、予防医学士

企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行ない、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5000人を超える人々と関わる。

現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行ないながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。

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