2019.07.01 Kiju Ichikawa

シルク・ドゥ・ソレイユへも人材を輩出。京都産業大学ダブルダッチ部

大学から始める人も多いダブルダッチ。近年は全国各地の大学でサークルが増えていますが、中には体育会の“部活”として活動しているチームも。京都産業大学体育会ダブルダッチ部もその1つですが、体育会になって変わったことや、ダブルダッチの魅力とは何なのでしょうか。部に所属する学生にお話を伺いました。

ターナーと呼ばれる回し手が、内側に2本の縄を回して自由自在に操り、その中でジャンパーが魅せる。スピード感溢れるアクロバティックなパフォーマンスが魅力のダブルダッチ。息のぴったり合った絶妙なコミュニケーションから生み出されるパフォーマンスには、目を見張るものがあります。

近年では、世界大会でのプロチームや中学生チームの活躍などによって知名度も上昇し、大学からサークルや体育会で始める人も多いようです。

 

京都産業大学体育会ダブルダッチ部は、全国的にもめずらしい「体育会」のダブルダッチチームとして活動しており、部員数は31名と多くはないものの、世界チャンピオンや世界的エンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」のパフォーマーを輩出しています。

今回は普段の練習に伺い、体育会としての活動の様子や、ダブルダッチという競技の魅力について迫りました。

 

ダブルダッチとは

ターナー(回し手)が2本の縄を交互に内側に回して、その中でジャンパー(跳び手)がダンスやアクロバットな演技を繰り広げるスポーツ。ターナーやジャンパーは、演技中に交代し続けて、全員が2つの役割をこなします。ターナーとジャンパーの息の合った迫力のある演技が、ダブルダッチの醍醐味です。

練習は週に3回で、だいたい3〜4時間程度。チーム単位での自主練も活発で、この練習場所に来たら必ず誰かが練習しているそう

 

ジャズやヒップホップも。好きなジャンルを選べる

市川
まずは代表を務める3回生の桑田ひよりさんにお伺いします。ダブルダッチにはどういった部門があるのでしょうか?

桑田さん
ほとんどの大学生が目指す大学パフォーマンス部門と、競技ダブルダッチ部門の2つがあります。

市川
大学パフォーマンス部門にはどのような特徴があるのでしょうか?

桑田さん
大学パフォーマンス部門は、基本的にダンス自体のジャンルには捉われることなく、2分から2分半程度のパフォーマンスを行います。例えば、私がやっているハウスダンスと呼ばれる、かなりステップを使うようなダンスもありますし、他にはヒップホップなど、自由に自分が得意なジャンルを見つけて選ぶことができます。

チームによって、ダンスのジャンルが異なるので、パフォーマンスの雰囲気も全然違います。私のチームは明るいダンスが多いですが、同期のもう1つのチームは結構ドープな感じがあって。

また、ダブルダッチは女子制が発祥した競技なので、大学パフォーマンス部門では、チームに女性がいないと大会に出られないというルールがあります。

市川
次に、競技ダブルダッチ部門にはどのような特徴があるのでしょうか?
桑田さん
競技ダブルダッチ部門には、30秒間に何回跳べるか競う部門と、アクロバットの演技の得点を競う部門の2つがあります。オリンピック種目にしようという動きもあるみたいです。
市川
チームはどのように決めるのですか?
桑田さん
基本的には2回生が入部した1回生とコミュニケーションをとって、1回生一人ひとりの得意な分野に合うようにチームを結成しています。
市川
大会では、どういうところが評価されるのですか?
桑田さん
パフォーマンス部門では、採点基準が5つあります。縄跳びの技術、演技の構成、表情も含めた表現力、アクロバット、あとは曲編集も自分たちでするので、その曲がパフォーマンスと合っているのかという基準です。

アクロバットはかなりシビアに見られていて、地面に手をついてしまうと減点で、肩がついてしまうとその時点で競技停止、退場になります。

市川
大会の仕組みについて教えてください。
桑田さん
今目指しているのは「DOUBLE DUTCH DELIGHT」という国際大会です。まずは関西予選の「DOUBLE DUTCH DELIGHT WEST」があって、4大地区からそれぞれ代表を決定します。

そこで入賞すると、「DOUBLE DUTCH DELIGHT JAPAN」という日本での全国大会に出場できます。さらに上位3位以内になると、ニューヨークにあるアポロシアターで行われる「Double Dutch Holiday Classic」という国際大会で、日本代表としてパフォーマンスをすることができるんです。

あとは、3月に行われる「DOUBLE DUTCH CONTEST」という大会があって、日本予選から世界大会を目指します。

市川
日本のダブルダッチのレベルは、世界でどれくらいなのでしょうか?
桑田さん
日本は結構強くて、昨年度は日本体育大学の方がアポロシアターでの国際大会で優勝されています。ダブルダッチをする大学生にとってアポロシアターは、高校野球でいう甲子園のような存在になっていますね。
市川
卒業後も、ダブルダッチに関わる人はいるのですか?
桑田さん
日本ダブルダッチ協会公認インストラクターの資格を取って、ダブルダッチのインストラクターになったり、シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーになったり、大学からダブルダッチを始めて卒業後も関わり続ける人は結構いますね。

 

ダブルダッチ×体育会

市川
ダブルダッチで体育会として活動するチームは少ないと思います。いつから体育会になったのですか?
桑田さん
体育会になったのは4年前です。「DOUBLE DUTCH DELIGHT WEST」を勝ち抜いたり、パフォーマンス部門と競技部門それぞれで世界2連覇を達成したりといった戦績が認められたことや、当時の代表の方が体育会昇格のために尽力されていたこともあって、実現しました。
市川
体育会になって変わったことはありますか?
桑田さん
体育会になったことで、大学側からの援助が増えて、大会の費用などについて安心して活動できています。また、小学生対象のダブルダッチ教室への参加など、ダブルダッチを普及するための活動にもたくさんお声がけいただけるようになりました。

部の雰囲気としては、縦のつながりが強くて、良い意味でサークルの時のままですね。ダブルダッチは大学間の横のつながりも広く、他大学との交流会が月に1回あります。

市川
チームの運営はどのように行っているのですか?
桑田さん
基本的には幹部が行っています。各チームにチームリーダーがいて、そのチームリーダーと幹部が連携して、運営しています。
市川
他の大学にはない、京都産業大学ならではの魅力は何だと思いますか?
桑田さん
先輩が絶対に後輩のことを端から端まで面倒を見るという気持ちがあります。誰一人としてできない人はいないですね。できない人がいるということが先輩としても嫌なので。

後輩に丁寧に指導する代表の桑田ひよりさん(写真左)

 

ダブルダッチという競技の楽しさ

市川
ここからは、3回生の中田百音さんと、2回生の杉本日向子さんにお伺いします。お二人は大学からダブルダッチを始めたとのことですが、そのきっかけは何ですか?
杉本さん
私はダブルダッチをしようとは全く思っていなかったです。高校ではダンスをしていて、大学でも何か運動系のサークルに入りたいと思っていました。そしてダブルダッチの体験に行った時にすごく楽しくて、そのまま入っちゃいました。
中田さん
私は高校で吹奏楽部に所属していたので、全く運動経験はありませんでした。でも、私も体験してみるとすごく楽しかったので入りました。部活の雰囲気が良かったところも大きかったですね。

(左から)中田百音さん、杉本日向子さん

市川
チームによって、パフォーマンスの雰囲気が全然違うとお聞きしましたが、チームのパフォーマンスの雰囲気を教えてください。
中田さん
種目は2人とも大学パフォーマンス部門です。私たちはヒップホップがベースで、どちらかというとかっこいい感じのダンスをしています。
杉本さん
明るく、自分たち自身が楽しんでパフォーマンスをしていることが観客に伝わるように、一人一人の個性を意識しています。
市川
ダブルダッチの楽しさを感じるのはどんなときですか?
中田さん
ダブルダッチは大学までやったことがなかったので、1つ1つできることが増えていって、それを実感できるときが楽しいです。また、競技とは直接は関係ありませんが、部全体がとても仲良しで、雰囲気が良いのも楽しめている要素の1つですね。
市川
ダブルダッチならではの魅力は何ですか?
杉本さん
ダブルダッチはチーム競技なので、ターナーのどちらか1人のミスだけでも、全てのパフォーマンスが崩れてしまいます。その分、どのスポーツよりもチームメイトへの信頼の厚さが求められるし、そこが魅力でもあるとすごく感じています。
中田さん
1人が抜けるだけで、パフォーマンスが成立しないので、チームの結束力は私も魅力だと感じます。人に合わせないといけない時もあるし、自分の意見を伝えないとチームの雰囲気が悪くなる時だってあります。そういう意味では、コミュニケーションが一番求められますし、人としても成長できる競技です。

 

京都産業大学体育会ダブルダッチ部

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